深夜に好きな曲について語るのが最も健康に良いらしい

フジファブリック「TEEMAGER」

同名のアルバムの一番最後の曲。フジファブで一番好きな曲は「星降る夜になったら」なのだが、今夜はこちら。爽やかで疾走感のあるメロディーが覚えやすくてとても好きだ。歌詞に「朝まで聞くんだAC/DC」という部分があるが、彼が好きだったものが、こうして歌としてずっと残っているんだなと思ってからは、より一層愛おしく感じるようになった。こういう様に、その人が好きだった場所やモノが書かれている詩は凄く良い。その場所や同じモノを手に取った時に、その人の一部が入ってくる感じがするからだ。20代後半ぐらいにふとこの曲を電車で聴いた時、少し泣きそうになった。いつの間にか自分もTEENAGERではなくなってしまったから。でも、初めてこの曲の本当の良さみたいなものに触れられて、嬉しくもあった瞬間だった。

 

 

餓鬼レンジャー「ONE (feat. SUGAR SOUL & JESSE (RIZE / The BONEZ))」

ガキレンにSUGAR SOULRIZEのJESSEが参加した楽曲。実は、初めて聴いた時は、良さが全くわからずリピートすることは無かったのだが、半年ぐらいしてたまたま聞き直した時に物凄く感動して大好きになった。それで、JESSEが逮捕されたときに「もう聞けなくなるかも!」と急に焦って買った思い出。まず何よりビートが良すぎる。アコースティクギターのリフが本当に素晴らしくて頭から離れなくなる。もちろんラップも最高。ガキレンらしくライムはめちゃくちゃ固いのにメッセージ性が物凄く強いし、JESSEもそれに全く引けを取らないフロウとリリックで本当にかっこいい。そしてフックで歌い上げるSUGAR SOULが全てを調和させていてこれぞONEだなって感じがする。元々マイクリレーは好きだが、男女混成になるともっと素晴らしくなると思っている。物凄い鬱々として寝れずに迎えた朝4時に聴いた時、本当に食らった。最高のHIP HOP。

 

 

黒崎真音X-encounter

BSでアニサマの2014をやってるのを見たときに、たまたま出会って衝撃を受けた。この曲が主題歌のアニメを見ていないので歌詞の内容は全く分からないのだが、とにかくかっこいい。適当に入ったラーメン屋でお袋の味がするラーメンに出会ったぐらい、なんでこんな的確に弱点を突いてくる曲が存在しているのか不思議だった。首を振らざるを得ない激しくも機械的なトラックに、黒崎さんの芯の通った力強いヴォーカルが最高にマッチしている。イントロからして既に最高なのだが、特にラスサビの展開がこの上ないぐらい好きなのだ。終盤にメロディーラインが落ち着いた雰囲気に変わって、歌詞も抒情詩的な語り口調になるのが、6分という比較的やや長めの本曲を最高の形で終幕してくれる感じがして本当に良くて良くて。テレビでこの曲を聴いた時、本当に衝撃的だったのだが、曲の最後にテロップで出た作曲編曲者の名前を見て崩れ落ちた。高瀬一矢さんだった。当時は、MELL様の最後のライブから4年、最後のアルバムから2年ほど経っており、なぜかもうI'veの曲を聴くことは無いだろうなと勝手に思っていた。しかし、親鳥の鳴き声は一生忘れないというか、たった1曲でここまで心を惹きつけてくるのは本当に凄いなと思ったし、同時に自分どんだけタカーセ好きなんだよと思った。ちなみにRayさんの「As for me」でもこれと全く同じ体験をしたので、知らぬ間にそういう条件付けが成立しているのだと思う。

 

 

SOFT BALLET「ESCAPE」

実は、最近知った。筆者は大の森岡賢好きだが、作曲は藤井麻輝さん。ソウルは近い2人だが、見えた景色の描き方は違うなと思う。原曲とバージョン違いがあり、筆者が好きなのは2013年の「DOCUMENT」に収録されたバージョンだが、正直どれも良い。広島に原爆を落としたパイロットの心情(所説あり)を描いていながら、シンセサイザーは流れるように優しく、ドラムは美しい4ビートで非常に心地が良い。ヴォーカルも遠くを見据えながら包み込む様で軽やかで、しかし、どこか寂し気なところも非常に訴えかけてくるものがある。暑苦しさや押しつけがましさは一切無く、心にスっと入ってくるシンセポップで平和を願う姿は、聖母か天使のそれだと思う。一方で、過去のTVライブ映像を見ると、力強くメッセージを込めて歌っている姿があって、これも素晴らしい。藤井さんの正確無比な鍵盤捌きも最高だし、サビでモリケンがハモるのも最高。

 

 

KOKIA「たった1つの想い」

みんなが好きではない方(嫌味)のアニメ「ガンスリンガーガール」のオープニングだった。筆者はこっちのガンスリしか見たことが無いので、ガンスリと言えばこれ。インターネットでこっちの悪口を見る度にとても不快になる。不満なら文字どおりまだ五万とあるがこれぐらいにしておきたい。とにかくメロディーラインが最高。悲しくて寂しい、危うくて簡単に折れてしまいそうなのに、サビでは物凄いパワーがあって、ちゃんと光や希望もあって、ガンスリの全てがこの1曲に詰まっていると言っても過言ではない。歌詞も本当に良くて、1番のAメロから「疑問だらけの世の中 答えはまだ見つからないまま それでも前に進むの Why?」からもう一発で心を撃ち抜いてきて、「空へと伸びるイトスギ」や「丘の下咲くヒマワリ」も(行ったこもない)イタリアの風景が広がっていく様で大好きだ。普遍的な社会へのメッセージとガンスリの世界観が凝縮されていて、いつ聞いても色褪せることのない名曲だと思う。

 

 

Fear, and Loathing in Las Vegas「Starburst」

昔、仕事でめちゃくちゃ嫌なことがあった帰り道、爆音で「Virtue and Vice」を聴いてストレスを爆散して以来、ベガスのことが大好きになった。当時は、なぜか毎週末渋谷に通っていたのだが、渋谷という巨大な街に飲み込まれないよう、改札を出たら大音量でベガスを聴くのが定番化していた。その中でも特に大好きで一番テンションが上がったのが「Starburst」だった。正直未だに何を言っているかは分からないのだが、分からないのにこんなにアガるのは本当に凄い。生まれてから少しずつ築き上げていった理性ではなく、生まれ持っての本能に直接浴びせられているのだと思う。特にサビが本当に最高で、頭の上の部分が破裂して一気に景色や世界が広がっていって解き放たれる感じがする。そしてラスサビのスクリームで地球を飛び出して宇宙までぶっ飛んで行って最高の気分に高めてくれるので、本当に中毒性が高い。この、身体が軽くなって気持ちが宙を舞う感じが、アルバムタイトルの「Feeling of Unity」なのだなと筆者は思うよ。ちなみに同アルバム内だと「Gratitude」も凄い好き。

 

 

にーそっくすす「精霊剣舞祭」

1番はアニメのキャラクターの心情を歌っているのだが、本当に凄いなと思うのは2番の方だ。当時、メインキャストの中では木戸衣吹さん以外はほぼ無名と言っても良いぐらいで、これから駆け上がっていきますという勢いは凄かった。その瑞々しい姿と2番の歌詞の絶妙なリンク具合が凄く好きだ。「光輝くため暗闇に飛び込んでいくの 無茶とわかってても」や「あの日の悔しさはもう 今となれば希望論よ」という、HIP HOPで言うところのパンチラインが、リスナーよりも、歌っている彼女たちにこそ最も刺さっていたのではないかと思う。イントロから続くバグパイプの独特な音色は非常に高揚感があり、ライブでも一気にテンションが上がるし、ハンドクラップが多用されていることもあり、一体感があって非常に盛り上がったように記憶している。間奏のエレキギターも凄く良いし、ヴァイオリンも機動性があってとても聴きごたえがある。そういうわけで、筆者のアイフォーンには原曲だけでなくinstrumental版も入っている。それぐらいトラックが素晴らしいのだ。にーそっくすすは、恐らく復活することが無く、映像も残っていないのが本当に残念でならない。もう5年以上前のことだが、当時現場に通っていた人は未だに振りコピできると思う。それぐらいファンの心に確かな思いを刻んでくれたグループだった。

 

 

BOOWY「B・BLUE」

「CLOUDY HEART」と迷ったが、そちらは好きよりも悲しさが勝ってしまい、辛くなってしまうのでこちらにした。印象的なドラムから始まって、Aメロの歌いだしから非常にリリカルで良い。彼らは激しさや攻撃性が高かった分、反対側の弱さや優しさも人一番持ち合わせていたのではないかと思う。サビで布袋がハモるところも好きだし、間奏の布袋のソロギターは歌詞で言い切れなかったことを代弁して泣いている感じがしてそこも最高に好きだ。筆者は音源至上主義的なところがあるのだが、BOOWYだけは当時のライブ映像やTV映像に残っているその瞬間の彼らが最高だなといつも思う。音源では綺麗に歌い上げていて、それも美しいのだが、ライブであの独特な歌詞を切り気味みにして歌う氷室の姿が儚過ぎて惚れ惚れする。1番のAメロBメロの後、サビに行かずそのまま2番のAメロBメロを繰り返してから、あとはずっとサビとBメロで嘆きながら回顧しているのが、何故か本当にもうどうにもならないんだろうなと感じてしまい、より一層悲しさや虚しさがあって、それをこんなにかっこよく歌っているのが、凄くズルい。好きにならざるを得ない。

 

 

 

なんとなくジャンルを分けて偏らないようにしたのが、姑息で嫌だなと思った。ちなみに「姑息」には「その場しのぎで」という意味が含まれているので、一般的な使われ方では的を射ていないらしいです。書いてたら朝になったので、次回も気が向いたらやります。