くろは最高傑作『有害指定同級生』について

先日、ハイパーメディアクリエイターのくろは先生の最新作『有害指定同級生』のコミックス第一巻が発売された。

 

f:id:minekunnu:20180409085445j:plain秋葉原とらのあなにて筆者撮影

 

思い返すと(突然の回想)『帰宅部活動記録』がテレビで放送された当時、隣の青いビル(宗教上の理由で明示は避けたい)に買いに行くと、同時期に放送されていた『私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い』は平積みで展開されているのに、同じWeb雑誌で連載されている『帰宅部活動記録』は見当たらなかった。ファ◯クと思い、仕方なく少し離れた所にあるオレンジのビル(宗教上の理由で明示は避けたい)に買いに行ったのだ。

 

あれから数年(単純な計算ができない)経ったが、同じくろは先生の最新作がトゥラヌアヌ(ギリシャ語)で平積み&POP展開されているのは嬉しさと驚きと心強さ(集英社が後ろ盾的な意味で)を感じざるを得なかった。

 

そして筆者がわざわざトリェノアニィ(ロシア語)で本書を買ったのは、他でもないおまけのリーフレット(小冊子)目当てである。

 

かつては、前作の『NEWS×it』第一巻の法人別特典を揃えるがために複数冊買ったことがあったが、今回は2法人が大きめの紙で、タイガーホール(英語)が8P(ここでは複数人での性交を指さない)小冊子ということで、初手よりトーラーノアーナー(イタリア語)で買うことを決めていた。

 

すると、SNSの情報から、その小冊子にはくろは先生が創った21世紀のバイブル『帰宅部活動記録』の道明寺桜部長が1コマ登場するということを知り得た。これはもう腎臓を売ってでも買うしか無いということになったのだ(実際に売ったのは時間である)。

 

ということで、久々にくろは先生の新作を手にすることができたのである。筆者は基本的にコミックス派であり、連載開始当時から、早くまとめて読みたいと思っていたので、溜めに溜まったダムが放水をして発電を開始したようなリビドーがあった。

 

 

面白い。マジでめちゃめちゃ。面白い(季語:マジ[初春])

 

 

くろは先生の作品は基本的に全て面白いし、最初にして最高である『帰宅部活動記録』も最高だったが、正直ここまで笑っただろうか?というほどに毎ページ、いや、毎コマ笑った。『カイジ』でもここまで素早いペースで笑わなかっただろう。とにかくスゴイ。ゴイスーである。

 

本作はくろは先生の集大成であるように感じた。つまり、『帰宅部活動記録』及び『マジカルロリポップ』の女子高生コメディ+百合性と『NEWS×it』の2人漫才形式の掛け合いの融合である。例えるならからあげカレーラーメン牛丼みたいなもので、それぞれの良いところが良い形で良く混ざりあった印象である。要素ごちゃまぜミックスのようで、逆にシンプルなのに、味に深みと豊かさがあるのである。

 

そして、何と言っても本作はドドドドド下ネタ漫画である。成年誌でもなく、エロ漫画でもなく、【下ネタ】漫画なのである。行き過ぎず、行きなさすぎない、ちょうどいい所まで行っててくれるのである。絶妙な行きのラインの際、素晴らしい行きである。

 

特に、往年のくろはファンは崇高で清純で尊い【ゆりは(くろはの百合)】を、表向きはニコニコ笑顔で拝んでいながら、裏では大樹の根のように地深く暗いところで背信的で淫靡な妄想をしているので(断定)、くろは先生が自ら猥褻性を全面に出してくれるのは、堂々と性欲のギアを6速に入れることが許されたということなのである。

 

早い話、みんなくろは先生のえっちな漫画が読みたかったのである。

 

くろは先生、本当にありがとうございます。

 

 

ということで、新作『有害指定同級生』は、これまでのくろは先生の作品性を踏襲しながらも、新たなくろはワールドの広がりを予感させる大傑作であると言いたい。本当に最高なんだよもう。

 

 

最後に、筆者自身に向けても言いたいことがある。おまけの小冊子で桜部長が出てきて、本当に嬉しかった。ちょっと泣きそうになった。しかし、帰宅部もう帰ってこない。本当に帰宅してしまった。そして、非常に身勝手ながら、あえて新規の桜部長を描いてくれたことに、くろは先生からの愛のようなものを感じた。自分でも感じ過ぎだとは思う。既に、新作の有生(ありなま)が走り出していながら、未だに帰宅部に思いをはせ続けていると、虚しさを感じる日も少なくない。だが、やはり創造主たるくろは先生の描く桜部長には、特別な思いを抱かざるを得ない。嬉しさもあるが、半分悲しさもある。うだうだ書き連ねているのに、その感情を上手く表現することもできない。般若の言葉を借りると、「忘れないでね 消えても」そいう言葉が思い浮かんでくる。一日たりとも忘れたことはない。新作、新キャラを応援しなくてはならないという建前が強くなれば強くなるほど、あの時の楽しかった思い出がギラギラと胸を刺してくるのだ。もちろん、有生はめちゃくちゃ面白い。それだけは嘘偽りない、建前でもない。しかし、あの時と同じ気持ちで楽しんで応援しているのかと、自分に問いかけてしまうのだ。お前なんなんだよと自分に言いたい。思慮深いフリしてバカなだけでしょって言いたい。だから、今はこれ以上言えない。おまけで桜部長見て泣きそうになった。今はそれだけ。あとは、やっぱりありがとうくろは先生。新作も本当に面白かった。これからも先生の目障りにならない程度、自分のできる形で応援していきたいと思う。

 

 

そう、俺たちの戦いは、まだ始まったばかりなのである。