3日でバンドリにハマった話

第一章:頭の中がお花畑でいっぱい

 

ある日筆者は、数少ないマブダチの一人であるCさん(仮名)に「日曜おごるからバンドリの映画みようぜ」と誘われた。

 

この時点でバンドリについて知っていることは「バンドのアニメ」ということだけだった。要は何も知らない。

 

せっかく無銭で映画が観れる(オタクは無銭が大好き)のなら予習して最大限たのしまなくっちゃ!(全曲聞いてからじゃないとライブに行かないタイプのオタク)と思った筆者は、さっそくインターネットのGoogleでバンドリについて調べてみたのだ(ここまではナイツの漫才の導入と同じ)。

 

映画の公開記念ということで、Youtubeでアニメの第2期が無銭で観れる(オタクは無銭が大好き)という情報をキャッチし、早速Youtubeでバンドリの二期を観ることにしたのだ。

 

「あっ、これ3Dなんだ」

 

きらりんレボリューションの第3期(フルCG)を乗り切った経験のある筆者にとっては、特段の違和感なく馴染むことができた。唯一のネックであった「キャラの名前と声と顔が覚えられない問題」も、公式サイトのキャラクター一覧を参照しながら視聴する(ゲームオブスローンズ以来2回目)ことでなんとか乗り切ることができた。

 

そして、2日間でバンドリ2期を見た感想は「シンプルにめちゃくちゃおもしろい」だった。木曜日から見始めて、土曜日には一日中おたえちゃん(a.k.a花園たえ)のことで頭がいっぱいだったのだ。

 

好きな声優さん抜きで純粋にアニメにハマったのが何年ぶりか思い出せなかった。特にここ数年はアニメという文化自体が自分のもではない、自分に向けて作られていない気がして疎外感すら覚えていたのだが、バンドリは本当に良かった(急に語彙が終了する)。

 

 

2期後半の内容をザっと説明すると、主人公らのバンドの中核であるリードギターが他のバンドに引き抜かれてしまうんかいされへんのかいいやすんのかいいやせえへんのんかいみたいな感じである。その葛藤が描かれている9~11話は本当にヤヴァかった。もはやヤヴァすぎてエヴァかったと言いたくなるぐらヤーヴェのヴェーヤーなのだ。

 

というのも、筆者はこれまで幾度も自分の好きなバンドが解散したり、好きなメンバーがいなくなってしまうのを経験してきたからである。こと、音楽好きにとっては避けては通れない事柄だろう。ポルノグラフィティTama東京事変のヒラマとヒイズミフジファブリックの志村、解散してしまった三枝夕夏 IN dbGARNET CROW。バンドではないが、でんぱ組.incのもがちゃんが抜けてから2年ぐらいはでんぱの曲は聞けなかったし、狂ったように通っていた(通っている時は狂っているという感覚はない)every♥ing!も解散してしまった。

 

そして、森岡賢の死とMELL様活動休止。今でもその現実を受け止めようとするだけで涙が滲んでくる。

 

 

そうは言っても、人それぞれ、アーティストそれぞれの人生がある。音楽で一生食っていくのも簡単じゃない。ただでさえ、健康で寿命を全うするのだって重なり合った偶然が作った一つの奇跡だ。世の中そう自分の都合の良いように、綺麗で変わらないままではいてくれない。ちょっとCDを買ったり、ライブに行ったり、応援してるよ、好きだよって思うことの無力さを思い知らさせる瞬間でもある気がする。

 

 

おたえちゃんが(みなさん、ここでバンドリの話に戻りますよ)進路に悩む姿に、自分の好きなアーティストの姿すべてが重なってしまったのだ。しかも、それを受けてのメンバーの思いにも物凄く共感してしまった。自分の本当の気持ちと、大切な相手のことを思いやって初めて生まれてくる気持ちとの葛藤、ある種の優しさからしか生まれてこない残酷さや、10代が初めて感じる長過ぎる人生の行く末。とにかく11話で考えさせられることが多すぎて、撞木で後頭部をフルスイングされたぐらいの衝撃を受けたのである。

 

前日まで「なんで同じ配色の髪のキャラがいるんだろうと思ったら双子なのね」とか抜かしていたとは思えない。

 

そして極めつけの『Returns』である。

 

バンドリ、なんて素晴らしいアニメなんだ…。そう表現する他なかった。

 

これで1期も観れたら良いのになぁ~と思ったら観れた。ていうか普通に1期も無銭だった(オタクは無銭が大好き)。ありがとうブシロード…。そう表現する他なかった。

 

結論だけ書くと、1期もめちゃくちゃ面白かった。そして、2期のあそこはそういうことだったのか…という気づきが、無限なのか?ってぐらい沢山あったのだ。正直いきなり2期を観たのでは、各キャラクターのバックボーンや性格もよくわからなかったので、すごく良かった(急に語彙力が終了する)。

 

そして気づいてしまった。これもう一回2期見たらめちゃくちゃ面白くない?もう一回見た。めちゃくちゃ面白かった。バンドリはめちゃくちゃ面白い(急に語彙力が終了する)。

 

 

話が前後してしまうが、2期を見た後に劇場版であるバンドリフィルムライブを観に行った。構成としては、2期の最終回を拡張させたような内容で、5つのバンドの合同ライブをライブビューイングで見に来ちゃいましたwみたいな感じだった。そこで初めて2期のオープニング曲である「キズナミュージック♪」の素晴らしさを知った。演奏している姿から2期の映像をダイジェストでお送りする形式になっているのだが、歌詞との絶妙なリンク具合で泣いてしまった。映画館で泣くのは、「すべてがFになる」の上映会以来だった(4年ぶり2回目)。

 

 これ、ストーリーも面白いし、キャラクターも個性的だけど、曲がめちゃくちゃ強くありませんか?(オタクは強いか弱いかの二択でしか世の中を判断できない)。

 

そして、Cさんの勧めもあり、バンドリのスマートフォン向けゲームであるガルパことガールズバンドパーティー(筆者が長年ガールズアンドパンツァー関連の何かだと錯誤していたもの)を始めたのである。

 

 

第2章:なんでノーツ落ちるの速くするの?

 

筆者が宗教上の理由で絶対にやらないゲームのジャンルが3つある。格闘ゲームとパズルゲーム、そしてリズムゲームである。要する、筆者にはほとんどと言っていいほどに反射神経が無い。ほぼ無いのだ。じゃあなんでFPSやTPSはできるのか、筆者もちょっと良くわからない。

 

とにかく昔から音ゲー、リズムゲーは点でダメであり、避けに避けてきた。いかんせん他のジャンルのゲームはまあまあできるが故に、負けるのが分かっている土俵で戦いたくないのだ。そして、本当に質が悪いと自負しているが、負けるとマジで機嫌が悪くなるので、特に誰かと一緒にやらねばならない場面ではお互いの精神衛生のためにテコでもやらぬと決めていたのである。やらぬ、やらぬ、マジでやらぬの三原則、これにはサウザーもお手上げである(実際サウザー音ゲーをやったら筐体ごと破壊してしまうのでは?というのはまた別のお話)。

 

そんなノーリズマー(リズムゲーをやらない人)の筆者がスマホの大リズムゲーの 一角であるガルパをプレイしようというのは、青天の霹靂と驚天動地を足して2で割ったようなことなのだ。

 

シルル紀にやって以来のリズムゲー、最初はイージーすらクリアできなかった。ただ、気持ちは本気で挑んでいるので、普通に落ち込む。知っている曲ではあるが、サビにすら到達できないのは、本当に悔しい。

 

驚きだったのは、この「悔しい」という気持ち。リズムゲームに対して、生まれて初めて「クリアしたい」という思いが芽生えた。ありがとうおたえちゃん、俺頑張るよ。

 

流石に筆者も大学を出れるぐらいの一般的な学習能力があるので、自然とイージーはクリアできるようになった。そして恐る恐る難易度をノーマルに上げて挑んでみた。

 

「いや別ゲーかよ」

 

という声が聞こえてきそうな感じだった(実際には誰も喋っていない)。

 

そうは言うものの、筆者も大学を出れるぐらいの一般的な学習能力があるので、りんりん先輩の回復スキルのおかげもあって、どうにかこうにかノーマルもクリアできるようになったのだ。なんだ意外とチョロいじゃないか。ということで、臆することなくハードに挑んで即死した。

 

「いや別ゲーかよ」

 

この時ばかりは声に出して言ったかもしれない。

 

右手の指で長押ししてスライドさせながら左手の指はタップみたいのが、本当に無理なのだ。何かの実験に用いられているチンパンジーの気持ちが少しわかる気がした。遊んでいたいつもりが、いつのまにか遊ばれていたのだ。

 

 

そして、バンドリフィルムライブを見に来た(3週間ぶり2回目)。映画館で同じ映画を2回見るのは生まれて初めてだった。正直、同じ映画を何回も見ている人は頭がおかしいのではないかと思ってしまう節があったのだが、その考えが変わることはなかった。頭がおかしくてもいい。頼むからもう一度バンドリフィルムライブを見させてくれ。そんな思いしかなかった。

 

またキズナミュージックで泣いた。逆に泣いてる時に聞いたら泣き止むのかもしれない。それぐらい単純なトリガーになりえるぐらい、フィルムライブのキズナミュージックは素晴らしいのだ。

 

その日に、ガルパ先輩でもあるCさんにハードやその上のエキスパートをクリアするコツを教えてもらった。曰く「ノーツを目で追おうとすると反応が追い付かないので、なんとなく視界に入れながらタップする」と良いらしい。

 

まったく、Cさんとは8年ほどのお付き合いになるが、こちらが教えてを乞うているのだがら、せめて日本語で話してほしいものだなと思った。

 

そしてもう一つのコツは、「ノーツが落ちるスピードを速くした方が良い」と言うのだ。

 

彼が話しているのは、紛れもなく日本語だった。

 

ほんまかいなと思いながら、ノーツのスピードを恐る恐る9.5に上げてみたのだ。これが食べログだったらとんでもない数値である。

 

「いや別ゲーかよ」

 

ほぼキレかけていた。

 

この世には、見学という言葉もあるぐらいなので、実際にCさんにエキスパートの実演を見せていただいた(ノーツは10.7)。

 

結論から言うと、全く参考にならなかった。ていうか、リズムゲーなのに音を聞いていないのだ。柿ピー工場の生産ラインみたいなスピード降ってくるノーツをほぼノーミスかつノーミュージックでさばいていた。え?この人頭おかしくないですか?と、思わず通りかかったジョナサンの店員さんに質問しそうになった。

 

とりあえず、これは練習あるのみだなと思って一度ガルパのことを考えるのはやめた(人間は理解不能な場面に立ち会うと思考が停止する)。

 

それから、声優アニメディアの付録のやーつを見せてもらった。各キャラクターの声優さんの履歴書風の直筆プロフィールみたいな小冊子だったのだが、ロゼリアの湊友希那を演じる相羽あいなさんが好きなカバー曲に『Red fraction』を挙げてくれていて本当に嬉しかった。目の前にCさんがいなければ、小さじ程度泣いていたのではないかと思う。

 

 実は、映画に誘われるよりも以前に、バンドリについて知っていることが一つだけあった。それが『Red fraction』をカバーしているといことであった。筆者は今日に至るまで、不定期的にインターネットでMELL様のことについて情報収集しているのだが、カバーされてから1年後にそれを知ったのである。

 

今思うと、あれはガルパの画面だったのだなと分かるが、当時相当な角度で斜に構えながら聞いた筆者が思ったのは「アレンジは良かった」であった。絵に描いたような反抗期学生の感想である。

 

 当時、筆者が素直にロゼリアRed fractionを褒めちぎれなかったのには色々と事情があるのだが、それを書くと私も疲れるし、あなたも疲れるので今回はやめておこうと思う。

 

 とにかく、いちMELL様ファンの筆者から言えることは、ロゼリアRed fractionは素晴らしいということ、これに尽きる。また、若い皆さんにこの曲を知ってもらえる大きなきっかけを作ってくれたことを本当に感謝しているし、相羽さんが大切に歌ってくれたことに対しては、感謝してもしきれない。筆者はブシロードの本社がある方角に向かって一礼した。

 

 

Red fractionの他にも、ミュージックアワーやカルマ、READY STEADY GOといった世代的に内角低めストレートな曲や、Baby Sweet Berry LoveCrow SongShangri-Laのように、シンプルに好きな曲もあり、カバー楽曲だけを叩いている時期もあった。

 

ここで筆者は重要なことに気づいた。それは、知っている曲ならテンポもリズムもわかるのでクリアしやすいということだった。これならオリジナルの曲もいけるのでは・・・?結論から言うと、いけた。ただ、リズムや歌詞までしっかり覚えている曲が2期のやつだけなので、極端に少ないのだ。

 

もっと色々打ちたい、そういうわけで、ガルパのプレイ動画やライブ映像を見るようになったのである。

 

 

 

第三章:RASのやべーやつ

 

ありがたいことに、バンドリはライブ映像を丸々1曲公式がアップロードしてくれているので、ありがたく色々見て回っていた。ドームとか武道館とかでやっているのをそこで初めて知った。そして、演奏のレベルの高さに度肝を抜かれた。本当の意味でRASことRAISE A SUILENと出会ったのはこの時だったのかもしれない。

 

ロゼリアもRASもドラムがやばい、ギターはRASのやつがとにかくやばい、なんか背面でキーボード弾いとるやつもおる、ギターソロの後にちょっとドヤ顔の紗夜さんかわいい、どっちのボーカルも音源と変わらないぐらい声量があってすごい、なんでステップ踏みながら弾いてるの?ヘドバンするためだけに前に出てくるのウケる、DJなのに歌って卓に登ってるもウケるし煽りを入れていくスタイルめちゃくちゃいいな。

 

 

それから数日間、毎日バンドリのライブ映像を見ていて思った。

 

「ライブ見に行きたいかもしれない」

 

声優オタクとしては冷凍保存状態であった筆者は、ここ数年友人が余らせたチケットの席を埋める要員でしかイベントに行っていなかった。いわんや、ライブには3年以上 行っていない。正直、そういうのはもういいかなとすら思っていたところだった。

 

運良くRASとロゼリアの合同ライブが1週間 後に迫っていた。ちょっとまだ現場に行く心構えができていなかったので、カジュアルにライブビューイングが良いかなと思い、Cさんも誘ってみると二つ返事で連番することになった。

 

前半ではほぼポピパの話しかしなかったが、楽曲重視派の筆者なので、ロゼリアの世界観とRASの楽曲の強さは素晴らしいものがあるなと感じ、非常に気に入っていた。特に、ロゼリアの『FIRE BIRD』はReturnsと同じぐらい好きで、実際のところ「ライブでFIRE BIRD聴ければそれでいいかな」ぐらいの軽い気持ちであった。

 

たまたま初日のセトリを見てしまい、FIRE BIRDは絶対やることがわかり胸を撫で下ろした一方で、『ヒトリノ夜』という見過ごせない一文もあった。

 

両バンドの主要な楽曲の予習も済ませ、緊張と興奮を心のマドラーで混ぜながら映画館へと赴いた。かつて、武道館で某ライブを見たときに、最後尾だったおかげでどんなに推しジャンしたり小ジャンプ連打してもアイマス警察に目を付けられなかったことを思い出し、あえて最後尾の席を取っておいた。

 

普段の行いが良いからか、隣の席は空席だった。

 

「二個つかえる!」

 

そう、隣のCさんに興奮気味に伝えた(使うとは言っていない)。

 

初日とは逆で、RASのライブが先に行われ、間にRASとロゼリアの面白動画、そしてロゼリアのライブがあり、最後に両バンドでお互いの曲を共に演奏して終わった。

 

端的に申し上げて、最高だった。7割ほどFIRE BIRD目当てだったが、終わってみるとRAS最高以外の感情を失った。それでもお腹は空いたので、秋葉原でCさんと食事をして感想を話して帰宅した。懐かしさすらあるオタクムーブだった。

 

上記で二回ほど出てきたが、筆者は、3人の時と2人になって最初の頃のポルノグラフィティ世代である。特に赤リンゴと青りんごは狂ったように毎日聴いていた。そうであるから、RASのヒトリノ夜でブチアガらないわけがないのだ。もちろん、RASオリジナルの曲もめちゃくちゃ良かったし、新曲もすごいよかった。

 

筆者個人の所感としては、ロゼリアは「5人そろってロゼリア」といった感じだが、RASは「5人がそろうとRASになる」という感じがした。

 

それぞれ個性もクセも凄いし、競い合っている気さえするパフォーマンスをしながら最高の演奏をしていて、ぶつかり合っているようで不思議とそこでRAS独特のグルーヴが生まれている姿は、本当に素晴らしかった。そのグルーヴが、これまでの活動の中でお互いに築いてきた信頼と、膨大な練習量に裏打ちされて生まれていることは、バンドリ歴2か月の筆者でもすぐに分かった。

 

年末のRASの単独は、ライブを見て決めようと思っていたので、流れるように抽選に応募したが、案の定落選したので、再度ライブビューイングに赴くことにした。

 

合同ライブから単独ライブまでの1ヶ月弱、非常に長く感じられたので、とりあえずRASの曲をほぼ全部iTunesで買って気持ちを落ち着けようとしたのだが、音源は音源で素晴らしい仕上がりだったので、かえって昂ってしまった。

 

そして、自分でも薄々気づいていたのだが、RASのDJであり、アニメではチュチュを演じている紡木吏佐さんのことが頭から離れなくなりつつあった。気づけば、youtubeでHiBiKi StYleを見ていた。

 

HiBiKi StYleとは、響所属の声優が定期的に1本動画をアップするスタイルでお送りしているチャンネルである。

 

 感想を端的に申し上げると、全部おもろいし可愛い。特にツボだなと感じたのは、相方的な存在である遠野ひかるさんと名前を呼び合うときは、公のあだ名ではなく下の名前呼び捨てなところである。つむつむ×とのぴーではなく、吏佐×ひかるなのだ。いや、ひかる×吏佐かもしれない。

 

 そんな感じで音源を聞いたりHiBiKi StYleを見るなどしている内に年末ライブ当日になった。

 

終わってから知ったのだが、どうやらRASのオリジナル曲とRASがカバーした曲のみで単独ライブをしたのはこれが初めてだったらしい。どうりで顧客満足度100%なライブだったわけだ。しかも新曲と新カバー曲までお披露目で、どうやら筆者の顧客満足度円グラフは2周目の終わりだったようだ。

 

まだ2つの新曲のCDの発売を来月に控えているにもかかわらず、新曲を更にもう1曲とは、ガンガン曲を作ってライブもやる「円盤作ったらあとはツアーまわるだけ」精神を味わえるとは、思いもよらないサプライズだった。

 

RASのライブがとにかく盛り上がれて楽しくて気持ちがよい。それは、演奏している彼女たちが常に全力で、「やべー」としか形容できないほどにパフォーマンス精神、エンターテインメント精神に溢れていて、そして何より凄い笑顔だから。それはもう凄い笑顔なのだ。

 

それから、ライブビューイングにも関わらず、楽しすぎて意識朦朧としながら見ていたのだが、何かの曲で紡木さんがとても楽しそうにラップをしていた(DJでもありMCでもある)ので、なぜか泣きそうになった。紡木さんがあんなに楽しそうにラップしている…なんて素晴らしい時間なんだ…。こんな気持ちになったのは本当に久しぶりだった。

 

 

 

第四章:書きかけのラブレター

 

バンドリに触れ始めたのは9月だったのにもかかわらず、「2019年はバンドリの年だったな!」と錯覚してしまうほどに本当に良かった。アニメも楽曲もライブも演者も良いと、四拍子揃うことなど滅多にない。いわゆるコンテンツの四暗刻状態なのだ(運営はアレという話題から目を背けながらツモ)。

 

間髪入れず、1月2日から3日にかけて24時間バンドリTVがあった。引き続き筆者は意識朦朧としていたが、可能な限りずっと見ていた。そういえば、去年この企画を目にしたときは「頭がおかしい、さながら狂人である」などと、よく知りもせず嘲笑気味な感想をもったのだが、1年で狂人側になるとは思いもよらなかった。今年は、「72時間ぐらいやってくれればずっと見れるのに」と思った。

 

その2日後、Cさんから当然のようにバンドリ第3期の先行上映に誘われ、4話まで観たのだが、本当に面白かった。何よりアニメーションの時空でようやくRASが結成されるストーリーをやってくれたので、上映中は「え?こんなにRAS摂取させていただいてよろしいのですか?」という気持ちでいっぱいだった。あと普通に泣いた。

 

多少のネタバレになってしまうが、ああいったストーリー展開を見せられると、既存曲が持つ意味や見え方もまた変わってくるなと思った。そうなると、また次のライブで聴くのが楽しみになるわけで、バンドリスパイラルに既に取り込まれている筆者であった。

 

 

そういうわけで、「無銭で映画が見えれる」という格差社会の闇の一面を持ったスタートではあったものの、めちゃめちゃすごいマジで最高のやつに出会えて本当に良かった。RASの次の静岡ライブはまたライブビューイングになりそうだが(筆者は膝に矢が刺さっているので遠征ができない)、年内には現地に行きたいと思っている。あと、ライブに着ていける「可能な限りバンドリに近いTシャツ」が「数年前の上坂すみれ誕生日Tシャツ」しかないので、よさげなものを調達したいという思いもある。

 

ほぼ確実に面白いアニメ3期の続きも楽しみだし、新曲の音源も楽しみだし、ガルパにRASを出してほしいという思念を送り続けているし、なにより次のライブが楽しみでならない。

 

ありがとうバンドリ、今年もよろしくね。