次第に本となってしまうブログというもの

大学への進級祝いとして叔父さんからもらったベリービッグマネーで買ったネットブック、興奮して猥褻サイトのお気に入りばかり増えたものである。

 

 

あるテキストブロガーの方の記事を読み、触発され開始した初代ブログ。

 

「あ~俺も世相とか大勢を独自の視点でぶった切りて~」という斜に構えた若者特有の破壊衝動と抑圧された感情表現の捌け口として、最初の半年ぐらいは毎日ブログを更新し続けていたらしい。

 

日記、雑記形式ならまだしも、毎日何かしらのアニメかラジオか雑誌の感想や考察を投稿していたのだから、当時どれだけ孤独に過ごしていたのかがよく分かる。

 

アニメのクール終わりは各作品の全話を総括した記事が書けるのと、新アニメが始まると第1話の感触はもちろん今後の展望とか書けるので結構楽だったが、その中間の時期も無理くり話題を探して書き続けていたのは、狂気に迫るものがあった。

 

最初はアニメ、ラジオ、声優についてのことだけだったが、次第にライブとかイベントに行くようになったので、イベントの感想レポに力が入るようになった。

 

というのも、行ったライブや舞台に出ていた演者の方からもブログ良かったです的なコメントを貰うことが少なくなかったので、単純に、それが凄い原動力になったのだ。

 

ただ、レポを書くのは本当に疲れるのだ。個人的な信条として、イベント・ライブの最初から最後まで何があったか、何を話していたのか事細かく書きたい人間だった。そのため、レポの度に脳みそを雑巾絞りして記憶の限り思い出しては書く作業を自らに課していたのだ。少しでも記憶が鮮明な内に記録しておきたいので、帰宅即書き始めることもままあった。

 

ある種の転機となってしまったのが、ブログを読んでくれた人とイベントに行くことが増えたことである。イベント後に食事がてら感想を語り合っていると、不思議とブログに書こうという気がなくなってしまうのである。いわば、賢者タイムの亜種のような状態である。

 

それでも毎回ほぼぼっち状態の現場もあったので、それについてはものすごい熱量でレポを書いていたのだが、その、一番熱量を持っていた声優さんの現場を他界したので、ものすごい勢いでブログを書く気力を失ってしまったのだ。

 

信頼できる友人複数人に話す、というか、もはや懺悔に近い形でその体験談を語るというリハビリを2,3年続けて、そのことについては克服することができた。マジで感謝。

 

さて、初代ブログはアニメや声優のことについて結構硬派な感じで書いていたのだが、1回の他界で、これまでの全てが間違いだったというか、壮絶なちゃぶ台返しを食らった形になってしまったので、これ以上新しいことは書けないし、情熱そのものが失われてしまった。

 

 

それで、何を思ったのか、アニメ声優業界に限りなく近い業界の池のほとりで働くようになり、「え~マジすか~」みたいな話ばっかり聞くようになり、ますます初代ブログに書けるようなことが無くなってしまったのだ。

 

 

翻って、あの他界から2ヶ月ぐらいしてケロっと新しい現場に通いつめることになるのだが、既にブログに書き起こすというマインドはさらさらなかったので、「イエ~イベントたのしー」って独りで言って帰るだけであった。

 

追っかけた先が某アニメの声優ユニットだったので、年末にはあっと言う間に実質解散ライブが行われ、ライブ後は恐ろしい喪失により夜の新宿の街を泣きながら歩いたものだ。

 

しかし、このまま終わりたくなかったので、久々に丸々ライブレポを書こうと思ったのだ。

 

だが、自分としては手垢が付きすぎている初代ブログには書けないなと思っていたので、匿名の別ブログを開設して、そっちにレポを上げたわけである。

 

いや、もともとハンドルネームなのに何が匿名やねんっていうのは、わかるよ。

 

要するに、すごい硬派な感じでやってきたのに、あっさり推し変したことになるのが凄く嫌だったという話である。みんなもガンコ親父の豚骨ラーメン屋が急にバーニャカウダ提供しだしたら嫌でしょ。

 

それで、そのユニット解散の直前に別のユニットが組まれていたので、実質そちらに移行することで気持ちの空中分解が防がれたのだが、その現場も常時ぼっちだったので、これでまたブログのネタが増えたなと思ったのだ。

 

しかし、そのユニットがえらいイベントが多く、ブロガー(?)としてのピークが既に過ぎていた筆者には手に余る状態だったし、単純に休めなくて行けないことも少なくなかった。

 

そして半年ほどで匿名ブログも更新停止。

 

ただ、更新停止した頃には、新しい現場でも既に知り合い、顔見知り程度の人間付き合いができていたので、初代ブログの時同様に、喋ると書く気が無くなる賢者モード亜種に入っていたのも停止の大きな要因であった。

 

 

それで、大雑把に言うと、ちょうど2年ぐらい前に組長が「みんなブログやった方が良い」みたいなことを言っていたので、始めたのがこの3代目ブログブラザーズなのだ。

 

ツイッターは短文を投稿するマシーンなので、長文でしか自分の心の性感帯に触れられない筆者にとしては、遅かれ早かれ題名のないブログが必要になったのではないかと思う。ロクなこと書いてないけど。

 

3度目の正直と言わんばかりに、今度は話題や方向性を設定しないことで長続きするだろうと思った。しかし、そのキャンバスの真っ白さとテーマの無さが、かえって筆を鈍らせることを初めて知ったこの2年でもあった。

 

昔から、「何やっても良いよ」みたいのが苦手で、夏休みの工作は、兄弟の作った雪だるまの貯金箱をそのまま自分の物として提出して、次の年はそれを茶色に塗って耳を足した物をクマの貯金箱として提出したり、読書感想文は3年連続『ぞうをください』で凌いだり、6年生の時は感想文自体提出しないままやり過ごしたり(※いい子のみんなはちゃんと宿題はやろうね)、ただでさえ長期休みの宿題が苦手なのに、テーマを丸投げにされると億劫さに拍車がかかったものだ。

 

 そうは言いつつ、これまでのブログでは触れられなかった分類のことについて自由に書き残して置けるのは結構良い。特に最近記憶力がヤバいので(ついでに語彙力もヤバい)、忘れても読み返せば思い出せるようになっているのは良い。正直、思い出してもなんの足しにもならないことばりだが。

 

これまでは、どういうわけか、自ら勝手に設定した目には見えないブログの方向性や切り口、そしてテーマの統一感にがんじがらめになってしまい、やがて実際の自分とギャップが生じてしまい筆が折れてしまった。

 

放置ブログ2件のことをできるだけ仰々しく表現してみた。

 

3度目の今回こそは、できるだけ自由に好き放題書き続けたいのだ。どの文学作品の主人公が言ったのか忘れたが、以外に薄志弱行な人間なので、ちゃんと明言しておかないとすぐに流されてしまうのだ。

 

あと、初代ブログを読んでいてくれたV氏が、「◯◯◯◯◯さんは人の良い所を見つけて褒めるの上手」だと褒めてもらったことがある(チキンなので当時のハンネを全モザイクしてしまった)。未だにその自覚はないが、そう言われるのならそうなのだろう。何かの良い所を見つけて褒めちぎりたい。

 

長濱ねるちゃんってほんとにかわいいですよね。たまにでる方言とか特に。

 

 

前々回の更新から4ヶ月空いてしまったが、トラック野郎ヨシダさん(架空の人物)がツイッターで「クソみたいな短文増えろ派」だと言っていたので、なるほどクソみたいな短文でも良いから書こうと思ってみると、意外とすんなり書ける、所詮人間のやる気などその程度で湧き出るものなのだ(ちなみにヨシダさんはこのブログの存在を知らない)。

 

ということで、これまでは、まるで本のように自らにテーマを課してブログを書いてきたが、2019年からは、よりテーマレスでクソみたいな短文(当社比)を量産していきたいと思った次第である。