平沢進と行く21世紀音楽の旅

通称「ヤマハのコピペ」と言われるものがある。

 

普通に考えて、バイクとピアノを作っている会社というのは、合点がいかない、整合性がない。

 

その実、ヤマハ発動機YAMAHAは若干違うらしいのだが、コピペは大体真実らしい。

 

つまり何が言いたいか。

 

一見繋がりがないように見えたのに、後々繋がっていく。点と点が線になる。ムダなものはなかった。そいういことである。

 

それじゃあ、素晴らしい音楽の旅に僕達も出るとしようか。

 

 

旅の始まりは、2012年6月16日 土曜日にNHK-FMで放送された、第103回「今日は一日“アニソン”三昧 Z(ゼット)」である。(出典:wikipedia

 

お察しの通り、水木一郎さんである。

 

というのは冗談である。

 

タイトル通り、様々なアニソンを流す放送であった。その中で非常に印象的、衝撃的だった曲が、1曲だけあった。165曲中、1曲だけである。

 

アニメ『妄想代理人』のオープニングソング『夢の島思念公園』である。

 

あまりにも突然すぎる、平沢進との出会いであった。(以下敬称略)

 

虜になった。ヒラサワという鳥の子になった。親を見つけたのだ。これから長く続く音楽の旅を見守り、教え導き、照らし出す、親鳥である。

 

流れるような美しいメロディ、特徴的で不思議な歌詞、そして独特な高い歌声。

 

意味のない言葉に意思を見出し、意味の分からない言葉に意義を見出す。

 

そんな旅の始まりだった。

 

 

しかし、人は一度あったことを、偶然や気まぐれで片付けがちだ。2度、3度ありやっとそうだと確信に至る。そうでないと、全てを信じ、全てを疑わなくてはならない。逆転裁判の1の最後の方でも、「偶然は3回重ならない」的なサイバンチョの名言があるぐらいだ。

 

つまり、その時はまだ、無数にあるお気に入りの曲に仲間入りしたに過ぎなかったのだ。

 

というか、聴いていたらたまたま流れたわけで、誰のどの曲とか、あまり気にならなかった。名前とか知らない人だったし、そのアニメも見てないし。単純に、いい曲だなって、それだけ。

 

それからときは流れて、TOKYO MXで『5時に夢中!サタデー』という破天荒な番組が2011年から、約3年間放送されていた。

 

主な出演者は、たまちゃんこと、浅草キッド玉袋筋太郎さんと、RHYMESTER宇多丸さんである。

 

同番組の中で「タマさん、ウタさんのこもりのおじちゃま」というコーナが2011年5月28日から2012年12月22日までの間に放送されていた。(出典:wikipedia

 

お察しの通り、小森和子である。

 

簡単に言うと、宇多丸さんが映画を紹介したり、酒のつまみを食ったりする楽しいコーナーなのだ。

 

その中でも特に印象的だった、2013年8月24日に紹介された映画が何を隠そう、今敏監督作品の『パプリカ』と『パーフェクトブルー』である。(8月24日は今敏監督の命日でもある)

 

宇多丸さんが『パプリカ』の紹介中、BGMとして、同映画の主題歌である『白虎野の娘』が流れていたのだが、私は雷に撃たれたような衝撃を受けた。

 

雷には撃たれたことはないが、たぶんこんな感じなんだと思う。

 

"5時サタ”は毎週視聴+録画していたので、放送終了後、すぐにそのBGMがかかっているところだけ再生した。

 

流れるような美しいメロディ、特徴的で不思議な歌詞、そして独特な高い歌声。

 

 

あの時と同じだ。

 

 

お察しの通り、平沢進である。

 

 

尾崎紀世彦さんも驚きの再会である。

 

そこで初めて私はこの「平沢進」なる人物を調べることにした。なにせ、ヒラサワはテレビに全く出なくなった者。ステルスメジャーである。小僧の私が知るはずもない。

 

わかったのは、やはり『夢の島思念公園』と同じ人だと言うこと。そして、バンドを組んで活動していたことがあること。

 

それが、P-MODELである。

 

P-MODELが、メンバーの入れ替わりが激しいバンドであったことは、一目瞭然だったが、一点気になることがあった。私はP-MODELを知らなかったが、そのメンバーの名前に既視感があったのだ。

 

平沢、秋山、田井中、ことぶき、中野。

 

お察しの通り、『けいおん!』である。

 

私は『けいおん!』が好きだ。リアルタイム世代であるし、ちょうどその頃声優に傾倒していたので、わりかし思い入れの深い作品である。我が家に唯一ある美少女フィギュアでもある『けいおん!』である。アニメショップでCDも買った。劇場版は泣いた。ちなみに、『けいおん!』での一推しは澪で、二推しは梓だが、P-MODELでの一推しは平沢で、二推しはことぶきである。

 

そう、『けいおん!』のキャラクターの名前は、P-MODELのオマージュであったのだ。全然知らなかった。

 

 

ヒラサワは、自身の楽曲が動画配信サイトにアップロードされていることを、半ば黙認している。この理由は色々あるのだが、まあ、とにかくこのスタンスが非常にありがたかった。

 

動画サイトには、平沢ソロの曲やP-MODELの曲はもちろんのこと、同バンドの前身であるマンドレイクの曲まであった。

 

そして私は、彼の音楽の独創性と多様性に圧倒された。

 

何より凄いと思ったのは、過去の楽曲をリアレンジすると、更に素晴らしい曲に昇華していることだ。いくつ歳を取っても、音楽的センスや洗練性は増すばかりで、聴いている間の陶酔感、多幸感が、より大きくなっているのだ。 

 

正直なところ、本当は何を歌っているのかは、良くわからない。ヒラサワの音楽と向き合うときの、一番の課題だ。

 

しかし、しばしばそんなことはどうでも良くなる。なぜなら、彼の音楽は酔いやすいのだ。酔っぱらいに、まともな思考は期待できない。

 

 

さて、平沢は他のアーティストにも楽曲を提供していることがわかった。

 

タイの挨拶「サワディーカー」で歌い始める『Ruktun or Die』という曲だが、歌っているのが、宮村優子さんなのである。

 

お察しの通り、惣流・アスカ・ラングレーである。

 

宮村さんは、正直なところ、一般的に言われる、芝居や歌が上手いわけではない。しかし、アスカはもちろんのこと、他のどの役も、彼女以外では演じることはできないのではないか、という、唯一性がある。技術的な上手さは、ある意味、誰にでも取得できることだが、生まれ持った質感や感性は、真似出来ないものだ。彼女の声は、世界でたった一つの際立た至宝なのだ。

 

お気付きの通り、私はアスカ派である。

 

なぜヒラサワが宮村さんに楽曲提供したのかわからないが、あまりにも意外な組み合わせだった。

 

 

テクノというジャンルがある。ヒラサワの作る曲はテクノだ。もはや、テクノとはヒラサワと言っても良い。ココアと言ったら森永なのと同じだ。

 

ただ、ヒラサワの音楽があまりにも多様であるため、私はしばしば「テクノってなんだ?」という疑問にかられた。そこで、ネットでテクノに付いて調べたのだ。

 

そして、海外には、テクノの始祖となるグループがいることを知った。

 

お察しの通り、クラフトワークである。

 

ここで先に断っておきたい。正直どうでもいいことを。テクノの定義がどうで、その始まりがどこの誰で、どういう経緯で、どういう影響を受けていて、など、正直どうでもいい。

 

大事なのは、それがテクノと思うかどうか。そして、心から良いと思えるか。その2つだ。

 

物事を定義付け、確定させるのは、重要なことだ。しかし、それだけに囚われるのは、愚かなことだ。こと音楽に関してはそうだと思う。特に理由はない。かっこよさそうだから、そう言い切ってみた。

 

話を戻すと、クラフトワークがめっちゃ良かった、ということだ。ポルノグラフィティ東京事変とアニソンばっかり聴いてた小僧が、ドイツのサイエントロジー集団の電卓の音を子守唄にする日が来ると想像できただろうか、いやできない(反語)。

 

ちなみに、クラフトワークも、中心人物のラルフ・ヒュッターとフローリアン・シュナイダー以外のメンバーの入れ替わりは激しい。

 

 

日本には、テクノの名前を関したテクノバンドがある。

 

お察しの通り、TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUNDである。

 

この、通称テクノボーイズは、私が知る限り、素晴らしいアニソンを提供していることで知られる。

 

その中でも、私が特に好んでいるのが、アニメ『ウィッチクラフトワークス』のエンディングテーマのカップリングの曲でKMM団が歌う『Saturday Night Witches』である。是非一度聴いてみて欲しい。さて、もうお気づきだろうか。

 

お察しの通り、『電卓』である。

 

『電卓』は、先程登場したドイツの音楽グループ、クラフトワークの代表曲である。この『Saturday Night Witches』には、『電卓』で使われているメロディーが使われている。どちらの曲も、一度聴いたら忘れられない強烈な曲である。

 

もう一つある。SNWを歌っているKMM団は、同アニメに登場するキャラクター4人なのだが、その内1人の声を担当している声優で、夏川椎菜さんという方がいる。そう、ナンスである。

 

夏川さんは、Trysailという3人組の声優ユニットのメンバーであるが、私の推しでもある。私は元々、雨宮天さん推しだったのだが、とあるイベントで夏川さんが『星屑のインターリュード』という曲を歌ったのだが、それが素晴らしかった。胸を打つとはあのことだろう。滅多にないことだが、感動で自然と涙が流れた。そりゃ推し変するわ。

 

この『星屑のインターリュード』は、夏川さんが主人公を演じたアニメ『天体のメソッド』のオープニングであり、本来はfhánaというバンドの曲である。そして、この fhánaは、先程登場したアニメ『ウィッチクラフトワークス』のオープニングを歌っていることでも知られる。

 

無理やり繋げてみた。完全に蛇足だった。人生は蛇足の上に経っているのである。

 

ちょっと戻って、テクノボーイズだが、アニソンだけでなく、アーティストにも楽曲を提供している。そのうちの1人が声優の上坂すみれさんである。そう、すみぺである。

 

私は、上坂すみれが好きである。2011年11月12日に行われた、彼女が声優としてデビューする直前のお渡し会に行ったことがある。いわゆる接近戦である。彼女がソビエトロシアに傾倒していことは事前に下調べしておいたし、奇しくも、私の大学での第二外国語もロシア語だったのだ。

 

軽くロシア語で挨拶したら、よくわからいことを言い返された。Aラン大学とEラン大学ではこうも違うものかと驚嘆したものだ。もちろん、あちらは専攻、こちらは二外だ。土俵が違う。把瑠都だけにな!

 

もう一つ、上坂さんはミリタリーもお好きと聞く。私も好きだが、当方アメリカ合衆国がメインである。上坂さんのソビエトロシアとは、相反する存在だ。しかし好感が持てる。

 

前述の通り、上坂さんはアーティストでもある。テクノボーイズが提供したのが、上坂さんの6thシングル『恋する図形(cubic futurismo)』である。2秒でテクノボーイズとわかる。素晴らしい。

 

しかし、近年の上坂さんといえば、やはり5thシングルの『Inner Urge』をおいて他にはないだろう。この曲は、ご本人も声優として出演しているアニメ『下ネタという概念が存在しない退屈な世界』のエンディングであったのは、思い出すまでもないだろう。

 

察しの良い方はもうお気づきだろうが、先程の『ウィッチクラフトワークス』と『下ネタという概念が存在しない退屈な世界』は、主人公の声優が同一人物であり、それが小林裕介さんである。そう、ゆっけである。

 

この小林さん、顔が私に非常に似ていると、私の周りで知られる。そこで、本人に直接聞くために、お渡し会に行ったことがある。本人評価、70点だそうだ。私が言うのだから間違いない採点だろう。私もそれぐらいだと思っていたところだ。周りがほぼ女性しかいなかったので、非常に緊張したが、端的に言って、神対応だった。「絶対に忘れないと思う」と言われたことを、昨日のことの様に覚えているが、もう1年以上会えていないので、そろそろ会いたいところである。

 

 

話がマジで関係ないところにまで飛び火してしまった。話題の放火魔である。

 

 

話を元に戻すと。上坂さんは、平沢進を敬愛しているそうだ。

 

両者がラジオ対談した際に、上坂さんがそう言っていたので、そうなのだろう。

 

また、平沢も、上坂さんが作詞した曲を褒めていた。 

 

上坂ファンの間では、ヒラサワからの楽曲提供を望む声は多いようだ。私もいつか聴いてみたいと願っている。

 

実際、ミヤムラへの提供はしたわけだから、あとは、ウエサカサイドのレコード会社がヒラサワの条件に「うん」というだけだろう。

 

それが一番難しいのだが。

 

 

ヒラサワとは別で、私が心から敬愛するシンガーにMELL(メル)という女性がいる。ありていに言うと、MELL様は私にとって神だ。

 

そして、MELL様のライブサポートのバンドメンバーには、非常に奇抜なダンサー兼シンセサイザーがいた。

 

お察しの通り、森岡賢である。

 

 自分では実際には行かなかった、MELL様の1stライブのDVDに彼はいた。そのインパクトは、あまりにも強烈だった。

 

それから約1年後、私が生まれて初めてライブを観に行った時の話をしたい。

 

時は2010年11月13日。たまたま誕生日の前日だったので、非常に特別な思いをしたのを、いまでも覚えている。

 

また、通常、インターネットでむやみに実身の生年月日を明らかにするのは、自殺行為、とまでは言わないが、リストカットぐらいの危険性はあるので、いままで非常にはばかれる行為だったが、ついに言ってしまった。

 

 場所は、今はなきSHIBUYA-AX(渋谷アックス)である。渋谷と言いながら、原宿から行った方が近いことでお馴染みである。

 

 現在はもう駐車場になっているので、近くを通ると悲しい気持ちになる。

 

生まれて初めてのライブというのはもちろん、MELL様の2ndワンマンライブだった。 

 

MELL様のライブは、DVDで何度も予習していたので、生でMELL様の歌を聴くことはもちろん、生モリケンのダンスも非常に楽しみであった。

 

森岡さんは、後半戦からの参加になっていたが、それでも十分すぎるほど、圧巻のステージパフォーマンスだった。男性を見て、美しいと思うことは、そうない。

 

もちろん、MELL様のライブは世界一、宇宙一、現世一だった。初めてのライブなのにそう思ってしまう不思議。初恋を超える恋はない、そんな感じであった。最高のライブだった。

 

 

MELL様の楽曲の中に『The first finale in me』という曲がある。2ndライブでは演奏されなかったが、1stのDVDで、何度も繰り返し見た曲である。

 

ピアノとMELL様の二重奏と言っても良いこの曲、そのピアノを弾いていたのが森岡さんだった。

 

ステージ上での阿修羅的なパフォーマンスも去ることながら、演奏は非常に繊細で、優しさや温もりを感じる。そんなギャップも彼の魅力の一つだったように感じる。

 

さて、この異色家が何者なのか、非常に気になった私は、例に違わず、wikipediaで調べることにした。

 

どうやら彼は、昔SOFT BALLETソフトバレエ)というバンドを組んでいたことが分かった。当時はアイドル的、カリスマ的人気を誇っていたようだ。

 

YouTubeで見てみた。

 

そしてアルバムを2枚買った。

 

特に『PASSING MOUNTAIN』という曲好きだ。それから、『WHITE SHAMAN』、『WITH YOU』、『Body To Boty』、「VIRTUAL WAR」なども好きだ。

 

森岡さんが作る曲もちろん、純粋にソフバ自体が好きになった。

 

 

そして、この後、思いがけない展開が訪れる。

 

 

初ライブの翌年、初めて声優さんが出るライブに行くことになった。2011年7月24日である。

 

品川ステラボールで行われた、ゲーム『ドリームクラブ』のライブ『DREAM C LIVE 2011』である。オタクイベントデビューは済ませていたが、本格的なライブは、人生2回目であった。

 

Twitterでよく見る人(フォロワーではない)が沢山いて(自分だけ)面白かった。

 

後から知ったのだか、その人達だけで前日にオフ会があり、ライブ前後にも交流していたらしい。私は誘われていない。6年越しでこんなことを言っているのだから、相当悔しかったのだろう。この悔しさが、後々生きてくることになる(本編には関係はない)。

 

 ちなみに、ドリクラは、いわゆる「ギャルゲー」なのだが、一般的に言う「キャバクラ」に業務形態が酷似している。しかし、「クラブ」と「キャバレー」は異なることから、ドリクラのことを「キャバクラゲー」と呼ぶことは、タブー視されている。

 

秋葉原の準メイド喫茶で準メイドさんに「あっ、それってキャバクラのゲームですよね?」って言われたのは、本当に面白かった。

 

さて、当時は後藤邑子さんのファンであったが、ドリームクラブ自体も非常に好きだったし、その楽曲も出来が素晴らしく、ファン待望のライブといった様相をていしていた。

 

しかし、私はそのライブで、とんでもない怪物に出会うことになる。

 

お察しの通り、椎名へきるである。

 

椎名さんは、林原めぐみさんや國府田マリ子さんなどと、90時代の声優ブームの中心にいた人物で、声優としては初めて武道館でライブをした人物である。

 

それからなんやかんやあって、ドリクラに声優として参加していた。

 

実は、私はまだ椎名さんのキャラを攻略していなかったので、かろうじて曲は知っている程度であったし、まだCDが発売されていなかったので、フルバージョンも聴いたことがなかった。

 

椎名さんのステージは衝撃的だった。

 

ゲーム中のキャラクターの振り付けと全く同じで、歌がめちゃくちゃ上手い。圧倒的なパフォーマンスだった。キャラの性質上、椎名さんにだけ専属のバックダンサーが付いていたのだが、それも相まって、シンクロ率100%といっても過言ではなかった。

 

何故か私は泣いていた。感涙とはこのことを言うのだろう。完全に感化されてしまった。ゲームの中で語られるキャラクターの感情が全力でぶつかってきたのだ。心の交通事故である。

 

そして、後日CDを買ってみて知ったのだが、椎名さんが歌った『JEWEL』と『Happy&Pride』は、編曲が森岡さんだというのだ。

 

なんということでしょう。

 

つまり、当時は、2分の2で、100%の割合でモリケンに圧倒され続けたライブだった、ということになる。

 

そして、これは私がヒラサワを知る前の話なので、ヒラサワとモリケンが一緒にテレビに映っていたをの知ったのは、つい最近のことである。

 

ヒラサワを前にしてモジモジするモリケン、非常にかわいい。

 

 

本当に素晴らしい才能の持ち主だったと思う。

 

ブログを書かなくなってかなり久しかったが、彼との思い出を回顧せずにはいられなかった。森岡さんのお陰で、素晴らしい音楽と時を過ごすことができた。

 

布袋寅泰さんと巡ったツアーの映像も少し見たが、非常に良かった。鍵盤ハーモニカをあんなにも心地よく聴かせてくれる人は、他にはいないだろう。

 

彼の訃報に流した涙を、彼の関わった楽曲に捧げたい。

 

MELL様の楽曲の中で、唯一MELL様の作詞から初めて、その歌詞に作曲してくれたのも森岡さんだった。

 

新たに組んだユニット、(-)マイナスでの彼の演舞と演奏も素晴らしかった。

 

かけがえのない、フェイバリットアーティストの1人である。

 

私の青春時代というキャンバスに、音色を色濃く描いていったモリケンが、ヒラサワとライブを共にしていたと知った時、とても嬉しかった。不思議な感覚だが、好きなアーティスト同士が関わり合いがあるというのは、とても良いことだと思う。どっちも好きな私は、非常にお得だと思った。

 

 

さて、ヒラサワがかつてテレビ出演していた映像や、過去のライブというのが行われていた時、私はまだ産まれていない。

 

そういった映像が動画配信サイトにあるというのは、私としては非常にありがたい。どの時代のP-MODELもヒラサワも、常に素晴らしいからだ。

 

そういうわけで、頻繁にそういった動画を見ていたら、ヒラサワなんだけど、ヒラサワじゃない、でもヒラサワらしい楽曲に出会った。

 

お察しの通り、PEVOである。

 

これもまた衝撃だった。

 

まず、PEVOとは、宇宙人である。あと、テキーラはやめておけ、ということが言える。私の理解度で言えることは以上である。とにかく、この集団の音楽は素晴らしい。

 

運良くネットでもPEVOの円盤が買えるようになったので、買った。

 

しかし、せっかくなので、中野ブロードウェイの「ショップメカノ」まで足を運び、もう1枚買った。非常に貴重な経験だった。店内では、前述したクラフトワークが宙を浮いていて面白かった。

 

 

さて、この6年ほどのことを凝縮してみた。もちろん、ヒラサワ以外にも、BOOWYLady Gagaにも非常に傾倒した時代でもある。前述の、布袋さんのライブ映像を見たのも、そのせいだ。そこで森岡さんを発見したとき、私は異常な笑顔になった。

 

 

ヒラサワがいなければ、テクノに興味を持たなかったし、音楽の幅も狭いままだったのも容易に想像がつく(テクノの話は一切していないが)。

 

先日、『パプリカ』がお台場の映画館で放映されたので鑑賞しにいったが、スクリーンで味わうヒラサワは、極上だった。音楽の贅沢、ここに極まれりといった様相だ。『パプリカ』自体、好きな映画ではあるが、そうなったのもヒラサワがきっかけであるし、映画館に行ったのも、映画館のスピーカーでヒラサワが聞きたかったからだ。

 

これは、非常に直接的な原因としてのヒラサワだった。

 

自分の行動を決められれない時の、あとひと押し、興味をそそるスパイス、それがヒラサワという存在なのだ。

 

 

関係ないようで、どこかで関係している。音符の影にヒラサワありなのだ。

 

あっ、そう言えば、旅という設定、途中で忘れてしまった。

 

スマンなw