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総理大臣になって全国民に鼻毛カッターを配布したい

先日、Xbox oneレインボーシックスシージをプレイしていたら、英語圏のプレイヤーにボイスチャットに誘われたので、聞く専で参加してきた。

 

もちろん私は英語はとんと喋れないが、なんとなーくわからなくもない、ぐらいの練度しか持ち合わせていない。

 

正直、ホームとハウスの違いがわからないし、兄と弟がひとまとめにブラザーになる理由もわからない。

 

しかし、いわゆるガイジンの俗世的な会話は好きなので、聴いてる分には楽しい感じがした。

 

そのボイチャでは、3人の英語圏の人がいたのだが、10分に一回ぐらい誰かしらがゲップをしていた。

 

私の知識では、欧米圏でゲップは結構アレな行為だった気がするのだが、気兼ねなくゲップが連射されていた。

 

もちろん、「ゲッップゥ……エクスキューズ」と謝って(?)はいた。

 

私は別に気にならなかったし、気心知れている人相手には、あえてゲップをすることもある。

 

そこで、改めて気づいたことがある。

 

失礼とされる行為、容姿でも、気にしない人は気にしないのだな、ということだ。

 

 

そこで、本題の鼻毛に入りたいと思う。

 

いや、鼻毛は入るものではなく、むしろ出るものであるが、まさにそれが問題である。

 

 

外出先で鼻毛が出てるヤツがマジで信じられない。

 

 

「え、なんで?家に鏡ないの?なんで外出する前に一瞬でも鏡見なかったの?」

 

「ってか、気付いてないの?気にしてないの?どういうこと?」

 

 

という思いが、鼻毛がオーバーランしている人を見てしまうと、心の中をかけめぐる。

 

まず、前者の場合。気づいていないなら、仕方がないことではある。そして、「鼻毛出ていますよ」と指摘できる人間というのは、この世で一握りだ。

 

まず言い出し辛いというのと、そこまで言える間柄なのだろうか、という遠慮が発生する。

 

しかし、「鼻毛が出ていることでその人がかく恥」は、鼻毛が出ている間は、避けることができない。鼻毛不可避である。

 

そして、その鼻毛飛出し人が、接客をするとか、アイドルのお渡し会に参加するとかなら、できるだけ指摘してあげるのが優しさである。

 

 

昔、某コンビニでからあげクンカルボナーラを買って帰ったら、からあげクンが計上されているのに袋に入っておらず、しかもカルボナーラが×2で計上されていることがあった。摩訶不思議とはこのことである。

 

すぐに老村に戻って指摘すると、再会計とからあげクンの取得に成功したのだが、その店員さんが、鼻毛ボーボーだったのだ。

 

私は、基本的には接客業の方には、膝を曲げるようにしている。

 

だから、誤ってノーカラアゲ&カルボナーラダブルアップになっていたことに対しては、別に腹は立たなかった。

 

しかし、その人が鼻毛ボーボーなのには納得がいかなかったし、なんなら前歯がめっちゃ黒々してて、接客業者の顔面のそれではなかった。おそらくタバコだろう。これが非常に不快だった。

 

100歩譲って、歯は仕方ない。しかし、鼻毛はどうとでもできるだろう。

 

そして、なぜ上長は無法地帯と化した鼻毛を指摘しないのだろうか。気にならないのだろうか。

 

 

もう一つ、ショッキングな鼻毛事件を経験したことがある。

 

私がとあるお渡し会に参加したした時のことである。

 

正直、お渡し会に参加する側の人間で、鼻毛が飛出しているのは、どうかしていると思うのだが、まあまあな頻度で、飛出している人を見かけることがある。

 

しかし、この時ばかりは事情が違ったのである。

 

なんと、お渡す側の人の鼻毛が、1本だけ飛出していたのである。

 

鼻から鼻毛が出るというのは、もう0か1かの世界である。というか、◯からlが飛び出すか否かの世界である。たった1本のlが世界を変えてしまうのである。

 

そのお渡し会には、たしか50人以上の人が参加していたから、私以外にも気づいた人はいてもおかしくはなかったと思う。

 

正直私は引いてしまったというか、本当にショックだった。なぜ始まる前に周囲の人は指摘しなかったのだろうか。いや、それとも、お渡しが始まる直前か、その最中に台頭、もとい台毛したのだろうか。真実は鼻の中である。

 

ただ、今思い返すと、あそこで私がさり気なく指摘してあげるのも優しさだったのではないだろうか。お渡しは一時中断するが、壊滅的な被害を及ぼすわけではない。むしろ、はみ出し刑事状態の方が、ヤバみのある状態と言えよう。

 

しかし、仮にも他人に鼻毛の飛出しを指摘するのは、私には絶対無理だ。ましてやお渡し会中にそんなことが言えるほど機転が効かないし、指摘することが、果たしで善なのか偽善なのか悪なのか、未だに判断ができない。

 

 

そもそも、私自身、誰よりも敏感に鼻毛の飛出しに気づくのに、指摘することができないというディレンマを抱えている。

 

船酔いする船長、高所恐怖症のパイロット、下戸のバーテン、家を買うフリーター。

 

人間の特技と特性は必ずしも一致しないのだ。

 

だから、私が故意に見逃してきた鼻毛の違法駐車は数知れない。

 

同じ人物に対して複数回見逃したことも少なくない。

 

その度の私は、勝手に罪悪感を抱くことがある。

 

私が違法鼻毛を見逃したことでその人が恥をかいたら、それは未必の故意である。

 

鼻毛は、子供や猫同様に、突然飛び出すことがあるので、当人が気づかないことがあるのは仕方がない。

 

そうなると、気づいた周囲の人が指摘してあげるというのが、最後のセーフティーネットなのである。

 

 

そうであるのに、「鼻毛出てますよ」の一言は、非常に言い辛い言葉である。

 

おじさんしかいない店内で「ツユダクで」と言う、800倍言い出しづらい。

 

なぜか、指摘する側も恥ずかしいのだ。

 

「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」という諺があるが、これに非常に近い。

 

言う方も、言われる方も、なんとも言えない申し訳ない気持ちになる。

 

思いやりの玉突き事故である。

 

だがしかし、事故を恐れず指摘をしなければ、その先ではもっと大きな事故に遭遇する可能性があるのだ。

 

もちろん、鼻毛は自己責任性が高い。服についた毛玉や抜け毛とは訳が違うし、床屋や脱毛サロンですら手を出すことのできないサンクチュアリ(聖域)である。

 

鼻毛の飛出しというのは、たった1本で多くの人をなんとも言えない気持ちにする凶器なのである。もちろん、シチュエーションによっては「面白い」になる場合もあるが、常套手段には決してならない。無いなら、絶対に無い方がよいのだ。

 

少なくとも、私は他人の飛出しで何度も嫌な気持ちを経験している。

 

そこで、夜な夜な考えていることがある。

 

 

総理大臣になって全国民に鼻毛カッターを配布したい

 

 

もし、それが実現できたとしよう。

 

まず、今まで以上に鼻毛に気を使う人が増えるだろう。

 

更に「切る手段がない」という横着者を一掃できる。

 

そして、もし飛出しを見つけても、「今日カッター持ってる?」とか「カッター貸そうか?」という婉曲表現が可能になるのだ。

 

今思えば「鼻毛出ていますよ」は、あまりにも剥き出しな言い方だったと思う。言葉の暴力だ。

 

そう言えば日本には、「お花を摘んできます(花弁から雫がおつる)」とか「レコーディングしてきます(音入れ=おトイレ)」とか「月が綺麗ですね(好きだ、結婚しよう)」とか「今日でプロレスラーを引退します(まだまだ現役を続けたい)」とか、雅でワビサリズムを感じる暗喩が無数に存在する。

 

遠回り的に「カッター」を持ち出すことで、「(今、私はあなたの鼻毛の飛出しを案じています。どうか鼻毛を切ってください)」という思いやりを表現できるのだ。

 

 

全国民用に1億2000万本以上の鼻毛カッターを発注、配布、管理できるのは、おそらく国家レベルではないと難しいだろう。

 

もちろん、それで鼻毛関連の独立行政法人国営企業ができて、天下り先として悪用されて、鼻毛関連の組織に天下ることを「一筆書き」とか「マッキー(細)」みたいな隠語で表現されるのだろう。

 

それでも私は鼻毛の飛出しを根絶したいのだ。

 

 

さて、当然のことながら、自分の鼻毛にも他人の鼻毛にも関心がない人もいるだろう。気にしていないパターンである。

 

鼻毛が飛び出ている。ただそれだけのことと思う人もいるだろう。

 

ハッキリ言って、絶対モテないと思う。

 

もし、鼻毛が飛び出ているというデバフがかかっていても、自分は戦えると言うのなら、好きにしてくれて構わない。でも、無い方が絶対に良いコンディションだと私は思う。

 

別に私は、「自分に気を遣え無い人間は、他人にも気を遣えない」なんて思ったりはしていない。それは、論点のすり替え、燻製ニシンの虚偽、チューバッカ弁論だと思う。

 

別に、自分に気を使え無くても、他人を気遣える人はいる。逆もまた然りだし、両方に気遣えても、鼻毛が飛び出ている人はいる。前述したとおり、鼻毛の飛出しは、自然災害的に突如起きる場合もある。

 

時に、「あの人は鼻毛が飛び出ているけど、良い人だから」そう思われていることもあるだろう。鼻毛の飛出しぐらい、一度の親切で相殺どころか無かったことにすらできる。

 

だがそれは、翻って、なにか悪いことをすれば「しかもあいつ鼻毛出てるしな」と、相手に攻撃の手数を増やしてしまうことにもなる。

 

恒常的に飛び出している人は、ぐうの音も出ないだろう。鼻毛は出ているのに。

 

だから、自分を守るためにも、鼻毛を処理しておいて欲しいのだ。

 

そう、覚えておいて欲しい。鼻毛処理は、ディフェンスなのだ。

 

 

家を出る前に、もう一度確認して欲しい。遅刻しても良い。なぜか。

 

まず、「遅刻しない」+「鼻毛出てない」はプラス2ポイントだ。

 

次に、「遅刻した」+「鼻毛出てない」はプラマイ0ポイントだ。

 

同じく、「遅刻しない」+「鼻毛出てる」もプラマイ0ポイントだ。

 

そして、「遅刻した」+「鼻毛出てる」はマイナス2ポイントだ。

 

(※この理論は、ピン芸人の「ディフェンスの要潤」さんのネタの発想を拝借したものである)

 

無遅刻無鼻毛と遅刻鼻毛は、実に4ポイントもの差がある。サッカーであれば、ほぼ逆転不可能であろう。

 

しかも、遅刻と鼻毛は、その一日、デバフとして働き続けるのだ。

 

だが、取り返しのつかない時間に対して、鼻毛は処理することができる。遅刻は回避できなくても、鼻毛を回避することはできるのだ。

 

 

だから、どうか私の願いを聴いほしい。頼むから、鼻毛を処理してから来て欲しい。無理なら、私は頑張って総理大臣になって、全国民に鼻毛カッターを配布したいと思う。