来年の恵方巻きはこうしろ

恵方巻きの大量破棄が問題になっている。

 

しかし、本当に問題なのは、恵方巻きという食べ物そのものである。

 

今年、生まれて初めて恵方巻きを正しい所作で食べた。

 

そして、その致命的な問題に気づいてしまったのである。

 

 

1:食べにくい

 

食品としては致命的であるが、言及されることはない。なぜなら、恵方巻きで口が塞がっているからである。

 

これでは、「食べづらい」と言えない。

 

それに、おそらくだが、ほとんどの家庭では、恵方巻きはカットした状態で食卓に並べられているのではないかと思う。

 

4人家族で恵方巻きをきちんと人数分買うというのは、正直少し想像できない。買って2本だろう。なにせ、あの作法は子供老人には不向きだし、最悪命の危険性さえある。

 

恵方巻きは、巻き寿司としては極太なため、1本でお茶碗1杯分のライスを含有している。正直、もうそれだけお腹いっぱいだ。その重量さも食べにくさに一役かっている。

 

 

2:美味しくない

 

食品としては致命的であるが、言及されることはない。なぜなら、恵方巻きにはより重要な要素が含まれるからである。

 

それに、具材を見た感じで、だいたいの味が想像できる。想像済みの食品を無言で、大量に食べなくてはならない。贅沢な拷問である。

 

 

3:まだ2月

 

恵方巻きの効能として、恵方とされる方角を向いて、無言で一気食いすると願いが叶う、というものがあるが、思い出して欲しい。

 

おそらく、日本に在住していれば、1月1日から3日までの間に、神社仏閣へ初詣に行っているはずだ。そしてそこで願ったはずである。

 

そう、あれから一ヶ月しか経っていない。明らかに願いのスパンが短すぎるのだ。願掛けのシャトルランである。

 

それに、年齢によっては、サンタさんへのお願いも含められる。毎月、実際には見たことのない何者かに願掛けをするというのは、いささか他力本願過ぎる気もする。

 

というか、そもそも恵方巻で願いを叶えてくれるのは誰なんだろうか。セブン&アイホールディングスだろうか。

 

 

4:商業臭のキツさ

 

関東では、ここ数年で急にやりだした、という印象が強い。そして、高度に発達したインターネットのおかげで、なぜ普及したのか、理由はすぐにわかる。

 

はっきり言って、下手くそすぎるのではないかと思う。

 

ここで、同時期に行われるバレンタインや土用の丑の日などと比較されることがある。この2つも結構な臭いを放っているが、比較的無臭の恵方巻きと比べると、多くの人が良い匂いだと感じる食品である。

 

しかも、チョコはバリエーション豊かで、うなぎは高級食品だ。それに対して、恵方巻きは地味だ。地味なのに、めっちゃゴリ押しされているというのが、商業臭クサさを加速させているのではないかと思う。例えば、新人の女優がCMとかドラマとか映画の吹き替えとかに出まくる、あの感覚である(私は『未来日記』の大ファンなので、テレビドラマ版の出来には、非常に落胆した)。

 

 

では、来年も恵方巻きが大量に破棄されないためには、この逆を行けば良いのではないかと考えた。

 

 

1:カット売りする

 

最初から4枚の切り身とかにしておけばいいのだ。だが、それでも一口で食べるのは困難なので、直径も半分ぐらいにした方が良いだろう。そうすれば、老若男女が参加できるようになるだろう。

 

 

2:好きなものを入れて良いみたいな感じにする

 

海苔で巻いている以上、見た目は中々変えられない。だからと言って海苔で巻かないというのは、やり過ぎだ。

 

ならば、中身は自由ということにすればいい。つまり、恵方巻きのサイズにピッタリの海苔とご飯だけ販売すればいいのだ。これなら、フルサイズの恵方巻きよりも、廃棄時の量は少なくて済む。

 

そして、中身は別売りで、カスタマイズ可能にしてしまう。これでお祭り感が出るのではないだろうか。

 

 

3:6月ぐらいにやる

 

昨年から8月に山の日が制定され、一年間で祝日がないの月が6月だけになった。しかも、6月は、特にイベント事がない。いわば穴場である。梅雨ではなるが、恵方巻きは屋内でも敢行できるので問題がない。

 

 

4:開き直ってブランド化する

 

もはや商業臭は消しようがない。ならいっそ、看板メニューにしたら良いのではないか。いわゆる起源主張までいって、軽く揉めて欲しい。元祖恵方巻きとか言い出して、喧嘩して欲しい。切り餅やひよこ型菓子のように争えば、何もしなくて宣伝効果が生まれるだろう。

 

 

想像以上に論理的で、自分でも驚いている。

 

これ、確実に儲けられるのでは?

 

バイな、今すぐ会社起こして起源主張しなくちゃ。